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行者にんにくの特徴とおいしい食べ方・下処理の仕方

行者ニンニク

行者にんにくとは?特徴と健康効果

行者にんにくとは?

行者ニンニクとは
行者にんにくは、春の訪れを告げる風味豊かな山菜の一つです。その名の通り、にんにくに似た強い香りが特徴で、野菜というよりもハーブに近い存在です。
玉ねぎやにんにく、ニラ等と同じユリ科ネギ属の多年草です。近畿以北から北海道にかけて分布していますが、北海道以外では、高山でしか見られません。
その為、山に入った修行者が精力を付ける為に食べた為に、「行者(ぎゅうじゃ)にんにく」と名付けられたとも言われています。山野に自生しており、特に湿った土壌を好むことから、水辺や森林の下草としてよく見られます。北海道の特産物として有名で、アイヌネギとも呼ばれています。

当社のある北海道浦幌町でも収穫することができます。

行者にんにくの魅力と健康効果

行者にんにくの魅力はその独特の風味と栄養価の高さにあります。にんにく特有の刺激的な香りと風味がありながら、山菜特有の苦味が少ないため、料理に幅広く活用することができます。その風味を活かして醤油漬けにしたり、天ぷらにしたり、おひたしにしたりと、様々な料理で楽しむことができます。
行者にんにくは、アリシンという栄養素を多く含みます。アリシンはビタミンB1の吸収を助け、疲労回復や滋養強壮に効果があります。また免疫力を高め、がんの予防にも効果があると言われています。
更にアリシンには抗菌作用、血栓の予防、コレステロールを代謝する働きもあり非常に優れた栄養素です。
アリシンの他に、βカロテンや骨を丈夫にするビタミンKも多く含み、行者にんにくは元気が出る野菜と言われています。

行者にんにくの栽培法

行者ニンニクの栽培方法

栽培の基本知識

栽培の基本
行者にんにくは、天然物と栽培物の2種類があり、天然物は主に北海道の涼しい気候の場所でしか育たず、限られた場所で収穫期間も1週間程しかない為、非常に貴重です。
その為、一般的にスーパーなどに流通するのは栽培物になります。行者にんにくは、種から育てた場合、収穫まで3~5年以上かかる山菜です。なるべく早く収穫したい場合は、苗から植えるのがおすすめです。
苗は農協や園芸店で購入することができます。秋の終わりから冬にかけてが植え付けの最適な時期とされています。

土壌は水はけの良いものを選びましょう。酸性や中性の土を好み、また湿り気を好むので、乾燥には注意が必要です。

また、日光は十分に必要としますが、高温を嫌うため、夏場は日陰に移動するなどの配慮が必要です。地植えの場合は、寒冷紗を張って遮光するなどして厚さ対策をする必要があります。
これらの手間をかけることで、行者にんにくはより良い環境で成長し、より美味しい収穫を期待することができます。

行者にんにくの収穫と保存法

行者にんにくの収穫

収穫のポイント

収穫のポイント
行者にんにくは、葉の枚数が3枚以上になったら収穫できます。春先の新芽が出始める頃が最も美味しいとされています。

収穫する際は根元から2~3cmほどを残してカットしましょう。行者にんにくは成長が遅いので次に収穫できるのは2~3年後になります。株ごと収穫してしまうと二度と生えてこなくなる可能性もあるので、要注意です。翌年も収穫したい場合は下葉2枚をカットせず残しておくことがポイントです。

保存法: 冷蔵と冷凍

行者にんにくは、冷蔵と冷凍のどちらでも保存が可能です。
冷蔵保存する場合は、そのまま新聞紙に包んで立てた状態で冷蔵庫の野菜室に保存します。
冷凍保存の場合は、約20秒程さっと茹でて水気を切ってから冷凍します。保存容器は密封性のあるものを選ぶと、風味を保つことができます。冷凍した行者にんにくは、そのまま料理に利用できるため、一度にたくさん収穫した場合や、冬場に利用するための際などには、とても便利です。
さらに、醤油漬けという保存方法もあります。新鮮な行者にんにくを洗ってさっと熱湯にくぐらせ、水気をしっかりとふき取ってから瓶に入れ、醤油を注ぎ込みます。これだけで手軽に長期保存が可能で、しかも味が染み込んでさらに美味しくなります。醤油漬けにした行者にんにくは、そのまま料理に使うだけでなく、ごはんのお供としても最適です。
以上、行者にんにくの収穫と保存法について詳しく解説しました。行者にんにくは、美味しさはもちろん、栄養価も高く、保存方法によっては長期間利用できるという優れた食材です。ぜひ自分でも育ててみて、収穫の喜びとその美味しさを堪能してください。

行者にんにくの食べ方・下処理の仕方

行者の食べ方

行者にんにくの下処理の仕方

行者にんにくの下処理
行者にんにくは、収穫後、丁寧に水洗いし、泥などを落とし、根元の硬い皮を取ります。根元の赤い部分は「はかま」と言って、食感が硬く香りがきついので、なるべく取るようにします。

おひたしで食べる方法

おひたしは、行者にんにくの味を生かした簡単な一品です。まず、行者にんにくを下処理したら、鍋に湯を沸かし、少々の塩を加えてゆでます。ゆで時間はお好みですが、固さを残すのがポイントです。ゆで上がったらすぐに冷水にとり、色止めと食感を保ちます。
水気をしっかりと絞った行者にんにくは、食べやすい大きさに切ります。そして出汁を作り、醤油と合わせたものにつけて、30分ほど置きます。これにより、行者にんにくにしっかりと味が染み込みます。おろし大根やネギを添えて完成です。

炒め物で食べる方法

油で炒めると、行者にんにくの独特の風味が際立ちます。豚肉や鶏肉などと一緒に炒めて、オイスターソースや塩味などで味付けします。行者にんにくの香りで食欲が湧き、ガッツリ食べたい時の夕食メニューにぴったりです。

醤油漬けで食べる方法

行者にんにくの醤油漬けは、常備菜としても重宝します。作り方は非常にシンプルで、さっと茹でた行者にんにくを食べやすいサイズに切り、ジップロックや保存容器に入れ、醤油を注ぎ、全体が浸かるようにしてから冷蔵庫で一晩置きます。
一晩置くことで行者にんにくにしっかりと味が染み込み、美味しい醤油漬けが完成します。ご飯のおかずにはもちろん、そのままお酒のおつまみとしても美味しくいただけます。また、冷蔵庫で保存しておけば数日間は美味しく食べられるので、たくさん作っておくと便利です。

餃子に入れて食べる方法

行者にんにくの餃子は、その香りと風味が加わって一段と美味しい一品になります。ニラやネギを入れる代わりに行者にんにくを入れることで、風味が生きた特別な餃子が出来上がります。

パスタに入れて食べる方法

行者ニンニクを使ったパスタ
にんにくの代わりに行者にんにくを使ったペペロンチーノは、新鮮な風味とほんのりとした辛味が楽しめる一品です。行者にんにくを食べやすいサイズに切り、オリーブオイルを熱したフライパンに行者にんにくと唐辛子を投入し、香りが出るまで炒めます。
パスタが茹で上がったら、フライパンに投入し、行者にんにくとよく絡めます。この時、塩や黒コショウで味を調え、パセリなどのハーブを散らすと、さらに美味しくなります。
行者にんにくの香りが引き立つシンプルなパスタは、お昼ごはんや晩ごはんのメニューとしてもぴったりです。普段のパスタにちょっとした変化をつけたい時に、ぜひお試しください。

行者にんにくの購入ガイド

行者にんにくはいつ購入できるか

行者にんにくは、天然物だと4月下旬~5月中旬頃に収穫されるので、店頭に並ぶとすれば5月頃となります。貴重な山菜で、収穫場所も限られていることから、あまり流通していません。ネット販売されている場合もありますが、予約販売で発送時期が決まっていない場合がほとんどです。醤油漬けの場合は、通年販売されているので、探してみると良いかもしれません。

おすすめの購入場所

行者にんにくは、一部のスーパーマーケットや野菜専門店で見かけることがありますが、一番新鮮で種類も豊富なのは地元の直売所やファーマーズマーケットです。直接生産者から購入することで、その時期の一番美味しい行者にんにくを手に入れることができます。
また、アマゾンや楽天、地元の農家が運営するオンラインショップなどで行者にんにくを購入することも可能です。時期によっては冷凍物や醤油漬け等の加工品でしか販売されていないので、購入前によく確認するようにしましょう。

まとめ

今回、行者にんにくの魅力を多角的にご紹介しました。含まれる栄養素から栽培方法、収穫と保存法、そして色々な料理方法まで詳しく解説してきました。行者にんにくは独特の風味と健康効果で私たちの食卓を豊かにします。また、自然に生息する行者にんにくを見つける喜びや、自身で栽培して収穫する達成感もまた、行者にんにくの魅力の一部です。貴重な山菜なので、旬の時期に様々な方法で行者にんにくを楽しんでみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

株式会社FF工房 sole tokachi
株式会社FF工房 sole tokachi
株式会社FF工房 sole tokachi(ソーレ・トカチ)
FarmerとFishermanが肩を組み、自らが育む1次産品の美味しさを多くの方に伝えていきたい。
そんな思いを込めたFF工房を、浦幌の若手農家が漁師等地域の方々に協力いただきながら設立。
十勝浦幌発農業生産者によるD2Cブランドsole tokachi。
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